保護者が環境設定に賛同できない パターン2の続きです。
「で、結局、どんぐり倶楽部の環境設定理論は正しいの?」
というのが、みなさん気になるところだと思います。
それに対する私の考えは
傾向としては正しいので、多くの大人に知ってほしい
と同時に
「こうしたらこうなる」という絶対的な指標として妄信はしないでほしい
というものです。
傾向として正しいというのは
ヒトは
・じっくり味わって体験する時間が短いと、感情や思考力が育ちにくい
・意味のわからない事をさせられ続けると、精神を痛める傾向にある
・やりたくない事を強制され続けると、精神を痛める傾向にある
・管理されすぎると、受け身になりやすい
・速さを求められると、考えなくなる傾向にある
・単純な繰り返しばかりしていると、考えなくなる傾向にある
・「唯一の正解」があると感じる時間が長いほど、考えなくなる傾向にある
・受け身な時間が長いほど、考えなくなる傾向にある
といったことです。
思考力に関していえば、そのヒトがバカだから考えない、のではありません。
むしろ賢くて素直だから、環境に適応した結果、「考えない」で「覚える」ことが最善だと、無意識にしろ判断しているのです。目標が学歴の取得だけなら、記憶力の特別良い人の場合、この判断はある意味正解です。が、丸暗記が得意でない人の場合、受験のためだけとしても間違った判断です。一生涯という視点でみれば、記憶力の良し悪しに関わらず、賢明な判断とは限りません。
だから、
子どもに「速く、正確に」を求めるのは危険です。
計算ドリル、漢字ドリルなどの、徹底反復は危険です。
習い事などが多く自由時間が少ないのは危険です。
ゲームやテレビ漬けの生活は危険です。
子どもが、良くない態度をとるな、とか、なんだか「考えない習慣」を身につけているな、と感じるなら、子どもに原因を求めるのではなく、環境を整えようとしてほしいと思います。特に、一般的に良いとされている「学習」や「習得」が、マイナスの影響を及ぼしている可能性は、真剣に検討してください。
通常考えられているよりも、子どもはいろんな刺激に敏感だし、大人が「それくらい」と感じる内容や量でも、大きな影響を受ける子は多いです。
とはいえ
「危険」というのは、少しでもやったら、すべての子どもがダメになるといった単純なコトでもないわけです。モノゴトに対する適性、適量、適量を超えた場合の耐性には個人差があります。
ですから、絶対的な指標とは思わず、目の前のその子にとって、どういう状態が良いのか?という目でみてください。
・お友達の○○君は平気だから、うちの子も大丈夫だろう
・上の子には良かったから、下の子にもあっているだろう
・世界で活躍している○○さんが、子どもの時にやっていたことだから良いに違いない
という判断はまったくあてになりません。
また、
・うちの子は△△でこんなに悪影響を受けたのだから、もっとやってる子どもはダメにされているに違いない
といった決めつけもしないでほしいと思っています。