小学生の計算スピードが速くなくていい理由

小学校で計算問題を解く時に、タイムを計る。

私たちが子どもの頃にはあまりなかった風景だと思うのですが、最近はかなり多くの学校で見られますね。

よくない傾向だと思います。

あまりに計算が遅い場合は、数のイメージができていない可能性があるので、もちろん対応が必要ですが、その場合、急がせてなんとかなるという問題ではなく、イメージが伴うように個別の手助けをするほうが有効です。

イメージを伴って普通のペースで計算ができている場合、タイムを意識させることはデメリットのほうが大きいと感じています。

デメリットその1
叫び 速いことがいいことだと思い込む⇒瞬間的に解けない問題を嫌がる。

計算は速く、考える問題ではじっくり、というのは一見理想的に思えるし、実際そのようにできるお子さんも皆無ではないのかもしれませんが、普通の子どもにとってはかなり難しい注文です。

どんぐり問題のような考える問題を前にすると、泣いたり怒ったりする子どもが多いのは、速く正解を出すことを、日々要求されていることと無関係とは思えません。

デメリットその2
叫びおっとりした子は、計算が遅いから自分は算数が苦手だと思い込む。

これもとても残念なことで、計算のやり方も分かっていて、スピードも心配するような状態ではないお子さんが、自分は算数が得意ではない、と言ったりするのです。

全員がどれだけ頑張っても、速度というのは明確にランクづけされてしまいます。

上位の子ども以外は、自分はイマイチなんだなと感じても不思議はありません。

不要な速さを求めたり、競わせたりするのは、算数嫌いを作る一因ではないでしょうか?

では、本当に速さは不要なの?という点ですが、不要です。

速さが必要だとしたら受験の時ですね。

入試で計算が遅いと不利ではないのか?というのが、親御さんが最も心配される点かと思います。

中学受験の問題には精通していませんし、中学受験をよいものとは思っていないので、ここでは、ほぼすべての子どもが通過する高校入試メインでお話します。

高校の入試問題は、計算の速度で合否が決まるような内容ではありません。

※どんぐり倶楽部方式だと、中学受験をする場合も受験のための勉強は基本的に6年夏からです。

計算の正確さは必要ですが、速さについては極端に遅くなければ充分です。

それに、小学生の時点で多少ゆっくりだとしても、中学生になってから一定期間訓練すれば、一気に速くなります。

計算などの基礎的な問題は受験期にはみなできるようになってきますし、そこではあまり差がつきません。

しいていえばケアレスミスを連発する子はマイナス方向に差がつきますが、慌てて解く習慣がケアレスミスを増やすことはあっても減らすことは少ないです。

一方、入試で差がつくのは文章問題や図形の複合問題などの考える問題ですが、そういった問題に取り組む姿勢は、簡単には身につきません。

計算部分で時間が稼げたとしても、残りの思考問題がお手上げ…な場合、どれだけ時間があっても意味がありません。

一見分からない問題を解きほぐしていくような、思考訓練こそが必要なのに、計算速度にこだわるのはどうしてなのでしょう。

後から短期間で身につけられること(計算速度UP)を強化するために、習得に時間がかかること(思考問題)を苦手にしてしまっては、本末転倒です。

ぜひご家庭では「ゆっくりでいいのよ~」と、お母さんが言ってあげてくださいね。

特に急がせることの悪影響が多きい小学校低学年のお子さんの場合、先生の価値観よりお母さんの価値観に強く影響を受けますから。


小学生の計算スピードが速くなくていい理由」への4件のフィードバック

  1. 4. Re:ReRe:速さという能力
    >Mitsutaka Takemotoさん

    ほんとにねぇ…

    どうしたら目の前の子どもたちがよりよく成長できるのか?日本の教育がもっとよくなるのか?と、日々考えているのですが、学校改革には上からの通達が必要⇒これは失敗続きだしあまり期待できない
    となると、保護者や現場の先生方から変化を起こすのが現実的かつ急務?!

    ということで自分のできることを地道にやりつつ、Takeさんが教育界に復帰してくれる日も心待ちにしています☆
    http://ameblo.jp/sociale/

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  2. Mitsutaka Takemoto

    3. ReRe:速さという能力
    現実世界とかけ離れすぎていますよね、教育が。
    もう一度原点にかえって、人生で大事であろうことを0ベースで考えテーブルに並べて、その上で真剣に議論してほしいものです。
    http://ameblo.jp/dreamteacher/

    返信
  3. 2. Re:速さという能力
    >Mitsutaka Takemotoさん

    ですよね~。
    単純処理作業なら速さも有効かもしれませんが、それだって、やり方を工夫したり、そもそも不要な工程をカットしたりのほうが断然速くなりますから、やはり重要なのは思考ですもんね。
    http://ameblo.jp/sociale/

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  4. Mitsutaka Takemoto

    1. 速さという能力
    って今までどこで重要だったか記憶にないぐらいです。
    空間図形とか、思考力の問題などは、
    ものを創るという仕事や
    複雑なスケジュールを扱う仕事が
    多い中、非常に役に立つなぁと日々感じます。
    http://ameblo.jp/dreamteacher/

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