月別アーカイブ: 2012年9月

小学生の計算スピードが速くなくていい理由

小学校で計算問題を解く時に、タイムを計る。

私たちが子どもの頃にはあまりなかった風景だと思うのですが、最近はかなり多くの学校で見られますね。

よくない傾向だと思います。

あまりに計算が遅い場合は、数のイメージができていない可能性があるので、もちろん対応が必要ですが、その場合、急がせてなんとかなるという問題ではなく、イメージが伴うように個別の手助けをするほうが有効です。

イメージを伴って普通のペースで計算ができている場合、タイムを意識させることはデメリットのほうが大きいと感じています。

デメリットその1
叫び 速いことがいいことだと思い込む⇒瞬間的に解けない問題を嫌がる。

計算は速く、考える問題ではじっくり、というのは一見理想的に思えるし、実際そのようにできるお子さんも皆無ではないのかもしれませんが、普通の子どもにとってはかなり難しい注文です。

どんぐり問題のような考える問題を前にすると、泣いたり怒ったりする子どもが多いのは、速く正解を出すことを、日々要求されていることと無関係とは思えません。

デメリットその2
叫びおっとりした子は、計算が遅いから自分は算数が苦手だと思い込む。

これもとても残念なことで、計算のやり方も分かっていて、スピードも心配するような状態ではないお子さんが、自分は算数が得意ではない、と言ったりするのです。

全員がどれだけ頑張っても、速度というのは明確にランクづけされてしまいます。

上位の子ども以外は、自分はイマイチなんだなと感じても不思議はありません。

不要な速さを求めたり、競わせたりするのは、算数嫌いを作る一因ではないでしょうか?

では、本当に速さは不要なの?という点ですが、不要です。

速さが必要だとしたら受験の時ですね。

入試で計算が遅いと不利ではないのか?というのが、親御さんが最も心配される点かと思います。

中学受験の問題には精通していませんし、中学受験をよいものとは思っていないので、ここでは、ほぼすべての子どもが通過する高校入試メインでお話します。

高校の入試問題は、計算の速度で合否が決まるような内容ではありません。

※どんぐり倶楽部方式だと、中学受験をする場合も受験のための勉強は基本的に6年夏からです。

計算の正確さは必要ですが、速さについては極端に遅くなければ充分です。

それに、小学生の時点で多少ゆっくりだとしても、中学生になってから一定期間訓練すれば、一気に速くなります。

計算などの基礎的な問題は受験期にはみなできるようになってきますし、そこではあまり差がつきません。

しいていえばケアレスミスを連発する子はマイナス方向に差がつきますが、慌てて解く習慣がケアレスミスを増やすことはあっても減らすことは少ないです。

一方、入試で差がつくのは文章問題や図形の複合問題などの考える問題ですが、そういった問題に取り組む姿勢は、簡単には身につきません。

計算部分で時間が稼げたとしても、残りの思考問題がお手上げ…な場合、どれだけ時間があっても意味がありません。

一見分からない問題を解きほぐしていくような、思考訓練こそが必要なのに、計算速度にこだわるのはどうしてなのでしょう。

後から短期間で身につけられること(計算速度UP)を強化するために、習得に時間がかかること(思考問題)を苦手にしてしまっては、本末転倒です。

ぜひご家庭では「ゆっくりでいいのよ~」と、お母さんが言ってあげてくださいね。

特に急がせることの悪影響が多きい小学校低学年のお子さんの場合、先生の価値観よりお母さんの価値観に強く影響を受けますから。


科学実験~声で踊る塩~

夏休みにした科学実験。

DSCN3513

ちょっと分かりにくいですが、ボウルにはった黒いポリ袋の上で塩が模様を描いている写真です。

最初、塩は均等に撒いておいて、ポリ袋に向かって「あ~」と大きい声を出すと、、塩がはねて模様ができます。

声帯が震えてできた声が

右矢印空気を振動させながら伝わり

右矢印ポリ袋の膜を震わせ

右矢印そこに載っている塩が踊る

というしくみで

この模様は「クラドニ図形」というそうです。

が、やまぼうしの実験は、「不思議を楽しむ」のが主な目的なので、そういう説明はしません。

「よく分からんけど、おっきい声出したら、塩が動いて模様ができた目

「この模様、富士山みたいだビックリマーク

「あ~、おもしろかった」

でよいのです。

学校の授業で科学的な話を聞いた時に、「あ~、あれかビックリマーク」と、思い当たる体験が多いほど、理科の授業は楽しいし簡単になります。

庭で水を撒いて虹を見つけたり、お風呂でいろんなものを浮かべたり、日々の生活でも科学的な不思議にはたくさん出会えます。

その延長線上にある活動なので、用語やしくみを覚えることは重視しません。

もちろん、子どもが興味を持って理由を知りたがる場合は、図鑑で調べたり、簡単な説明をしたりしてもよいのですが、低学年の子どもの場合、知識を得たいというよりは、

「不思議なこと、おもしろいことを見てみたい音譜

という気持ちがほとんどなので、「おもしろかった」で終わることのほうが多い気がします。

「理科はあんまり好きじゃないし詳しくないの」という方も、子どもと気軽に遊んでみてくださいね。

意外と大人がはまるかも?

そうそう、実験する時に、もうひとつ大切にしているのは「工夫すること」です。

本に書いてある簡単そうな実験でも、やってみると案外スムーズにいかないこともあります。

そういう時に、「こうしたらどう?」ということを考えて試してみるのが、実験の醍醐味だと思うのですが、結果を求める現代っ子は、うまくいかない⇒失敗だ、とすぐ投げてしまいがちなので、最初は大人が少しフォローしてあげてくださいね。

だんだん、勝手に工夫してチャレンジするようになっていきます。


ピタゴラ装置を作ろう

今日から新学期ですね。

夏休みの間は、なかなかブログを書く時間もとれず、随分ご無沙汰してしまいました。

夏休み中、小学生のレッスンでは、お楽しみ企画もいくつか行ないました。

写真はピタゴラ装置を作った時のものです。

DSCN3489

この日は、どんぐり問題をたくさん解きたい子もひとつだけで終えてもらって、ピタゴラ装置を制作しました。

ピタゴラスイッチは見ているだけでもおもしろいのですが、実際に作ってみると、楽しいうえにとてもよい思考練習になります。

最初は、シンプルなもの、から始めるのがオススメです。

写真は、ローラーコースターから落としたビー玉が、まっすぐな通路を通って、最後に積み木を一枚倒し、その先にあるトイレットペーパーの芯を倒す、というもの。

こんな単純な作りでも、実際にビー玉を転がしてみると、通路が崩れたり、勢いが足りずに最後の芯が倒れなかったり、と、思うように動かすのは難しいものです。

それをひとつずつ、ああでもないこうでもない、と修正して、最後に成功した時の達成感は格別です。

こういう遊びを楽しむポイントは、大人が細かく指示を出すのではなく、

子どものアイデアを取り入れて、どんどんいろいろ試してみることです。

すると

「大きいビー玉だと倒れるかも?」

「もっと高いところから落とせば強く転がるかも?」

など、子どもも自分の生活体験からの思いつきをいろいろと出してくれます。

たとえ、見当違いの思いつきでも、やる前に大人が止めるのではなく

「おもしろそうだから、やってみよう」とトライしてみて、うまくいかないことを確認したうえで、更なるアイデアを出すほうが、ずっと楽しいし、身になります。

家にある積み木やブロックなどを組み合わせてもよいですし(木がからむとビー玉が転がった時に、気持ちの良い音がします)、何もなければ空き箱や厚紙を組み合わせるだけでも、いろいろとおもしろいコースが作れますよ。